フランスにおける油流出事故情報

エリカ油流出事故情報  1999.12.12 発生

1999年12月12日にフランスブルターニュ沖で発生した、燃料タンカーエリカ号より流出 した重油により6,000 羽の海鳥が直接被害を受けています。その影響は300,000 羽の野鳥に被害を及ぼすという観測もあります。
野生動物救護獣医師協会では、 フランス野鳥の会 ( LPO : Ligue pour la Protection des Oiseaux )の要請にもとづき、2000年1月8日に馬場圀敏理事を現地に派遣しました。

フランス野鳥の会 ( LPO )の活動を支援する国内での募金活動を行っています。ご協力お願いします。

募金口座: 郵便振り込み番号 00120-2-350855
加入者名 「油汚染生物救済募金


フランスの重油タンカーエリカ号事故に関するページ


エリカ号事故に対する野生動物救護獣医師協会の活動


馬場獣医師からの速報 その3 13 Jan 2000
  1. ナントの獣医大学には、2,000 羽収容されていた。
  2. モルバンでの情報と異なるのは、連絡網が混乱している為のようである。
  3. 獣医大学では厩舎の利用してリハビリを実施している。
  4. 各馬房にチップを厚く敷きつめて、管理ができるのでモルバンより状況がずっと良い。
  5. モルバンは仮設の為、長期的に保護される個体にとっては状況が苦しい。
  6. ナント大学にもボランティアは受け入れている。
  7. ナント大学でのボランティア受け入れ条件は、フランス語が話せて3週間以上滞在可能な獣医師または救護経験者。
  8. モルバンでのボランティアの受け入れ条件は、フランス語または英語が話せる方で、3週間程度滞在できる人(経験は問わない)。
  9. 本日帰国の予定

馬場獣医師からの速報 その2 12 Jan 2000
    1. モルバンレスキューセンターの収容状況は大きな変動無し。現在も保護が続いてい る。
    2. 屋内の収容は限界に近いので、屋外に回復用プールを設営。設営作業の指揮を馬場さんが任され、プール数個を手作業にて   ボランティアとともに作成。
    3. 過日報告の種から落ちていた、オオハムも収容されている。
    4. 12日ナントの国立獣医大学に移動、そこでの加療状況を調査。推定収容数100羽
    5. モルバン、ナント獣医大学以外に2〜3ヶ所のレスキュウセンターが立ち上がってい る。
    6. レスキューセンターに収容しきれいない個体については、各地の獣医科病院とうに小 数づつ収容されているようである。 現時点では、アメリカチームを含め現地と国際チームで精力的に活動しているので、 馬場先生は突発的状況がない限り、13日(日本時間14日成田着)に帰国して、今後の 支援体制を日本で協議の予定。

馬場獣医師からの速報フランスより第1報 10 Jan 2000
フランスの馬場獣医師より電話による速報。 日本に滞在経験のある、現地のNGOメンバーと巡り合い、 連絡が取れるようなったとのことです。 口頭での報告ですので以下に要約します。
    1. 現地の鳥類に与えているダメージは、湾岸戦争時の次ぐらいに深刻である。
    2. 被害をうけているとりの90%がウミガラス
    3. ウミガラス以外では、カツオドリ、ヒメウ、ウミウ、アイサspp.、カイツブリspp.
    4. 重度の汚染鳥が多く、救護が難行している。
    5. ナントに近いモルバンという町の体育館をLPOが借りて、急遽野生生物のレスキュウセンターに使用。他の地区にもいくつかレスキュウセンターが立ち上がっているようだが、詳細は不明。
    6. 国際チームは、モルバンに終結していて、そこから状況に応じて、各地に出かけている。
    7. モルバンに現在参加している、国外のグループは、IBRRC8名、SANCOB(南ア)2名、ベルギー複数名。
    8. モルバンで現在収容加療されている個体数1500羽。
    9. 昨日までの総収容数2400羽、モルバンでの加療により回復の可能性のある個体は、ベルギーに空輸している。
    10. 現在も毎日100羽近く保護されてきていて、まだ長期戦になりそうである。
    11. 冬休みのため、ボランティアの人では現在は足りているが、2週間後にマンパ ワー不足になることをLPOのコ−ディネーターが心配している。
    12. LPOスタッフもボランティアも初めてのオペレーションである上、一度に多数保護されることと、重度の汚染個体が多いので、救護活動は難行している。

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